横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

破骨細胞分化抑制効果測定

背景

骨は骨芽細胞により作られ、破骨細胞により骨吸収されます。両細胞が協調的に働くことにより骨の代謝がなされ健全な骨構造が保たれます。しかし加齢やストレスなどにより破骨細胞が優位に働くようになると、骨吸収が過剰に働き、骨がもろくなる骨粗鬆症となります。骨粗鬆症はホルモンの関係から女性に多く、破骨細胞の分化を抑えることにより骨粗鬆症を予防する試みは昔からよく行われてきました。
細胞試験的には破骨細胞の分化マーカーと考えられている酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼを検出するTRAP染色により、分化抑制効果を検証してきました。一方でTRAP染色による定量化は、試験系により細胞の形態や染色の違いが激しく現在でもヒトの目視による細胞カウントが主流で大量検体の検出には不向きでした。今回、横河電機では画像解析ソフトCellPathfinderのディープラーニングを用いた解析機能により、90%以上の確率でTRAP染色陽性細胞をオートカウントすることに成功しました。

キーワード

破骨分化、TRAP染色、大量検体におけるスクリーニング、HCA機器、CQ1、CV8000、CellPathfinder、RAW264.7、多検体・多条件のスクリーニング、酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ、Deep learning、オートカウント、自動検出

TRAP染色した細胞

TRAP染色したRAW264.7細胞(陽性細胞は黒く見える、水色は核)、CV8000、10倍レンズにて撮影

機械学習したのち、TRAP陽性細胞を自動検出

機械学習したのち、TRAP陽性のRAW264.7細胞を自動検出した(黄枠)、CV8000、10倍レンズにて撮影

内容

RAW264.7細胞にRANKLを添加することにより破骨細胞へと分化を促進しTRAP染色により分化細胞を検出しました。染色した細胞を横河電機のHCA機器(CQ1、CV8000)を用いて撮影し、画像解析システム(CellPathfinder)のDeep Learning機能で分化した破骨細胞像を学習させたのち定量的に解析しました。撮影から、画像解析まで一貫して行える横河電機の自動顕微鏡システムを用いることで、多検体・多条件のスクリーニングを迅速に実施することが可能となりました。破骨細胞分化抑制に対して効果のある食品や化粧品、薬品などの探索や効果効能測定を効率的に行うことが出来ます。

方法

  1.  細胞播種翌日にRANKLおよび検体薬剤(サンプル1)処理
  2.  細胞の融合具合を確認しながら適時、核およびTRAP染色
  3.  CV8000にて撮影し、CellPathfinderにより解析(別途用意したDeepLearning用のウェルを用いてTRAP陽性細胞を学習させたのち、多ウェルにおいて一括して解析を行った)

試験結果例

サンプルの添加濃度に対するTRAP陽性細胞数

サンプルの添加濃度に対するTRAP陽性細胞数


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